Cinema Life Career

映画紹介を中心に、仕事観やキャリアについてなど、世界観や見えていること、日常の中で感じていることを徒然なるままに綴っていきます。

【映画】ダンケルク 〜今までにない戦争映画体験〜

                            f:id:takuro901:20170916114532j:image

SFを避けていた自分が衝撃を受け、SFも鑑賞しようと思うようなきっかけとなった作品「インターステラー」のクリストファーノーラン監督。
今回は、実話ベースの戦争映画ということで、期待がとても大きかった。

陸、海、空・・・
それぞれにおいての戦争、第二次世界大戦、敵だらけのダンケルクの中で逃げたくても逃げられない、いつ攻撃が来るかわからない、そんな緊迫感と四方八方で起こっている惨劇をこんなにもぎっしりと短く、人間味も描きながら訴えかける。
さらに戦時中においての正義や大切なことまでもを伝える。

時間軸が全然違うそれぞれの戦いをしっかりと一つの作品にまとめ、違和感なく気にならないように描き切る。
やはり実話ベースでも、クリストファーノーラン監督は圧巻で、こんな戦争映画は絶対に彼にしか作れないと思った。

正直もっと長くてもよいくらい、内容的には2時間以上でもよいのではないか、と思ったが、106分という短い時間で十二分に上記の全てが伝わってきた。

アクション仕掛けなシーンが多いので、戦争においてのリアルを伝えるという意味では、少し物足りなさはあるものの、この作品はそこに重きを置いておらず、息もできなくなるようなそれぞれの立場での緊迫感や一筋縄で助かることができない厳しい環境下、その中で見える人間のよき部分と悪しき部分、そこを描くことで、戦時においての「人」とそれを取り巻く「環境」と「自然」の脅威が、同時に押し寄せてくる。
まさに新感覚な戦争映画だった。

戦争を描く戦争映画はたくさんあるが、大体の映画は「陸」、「海」、「空」の脅威を同時には描いておらず、いずれかでの戦闘を通して戦争を伝えてくる映画が多い。

ただし、この映画はその全てでのそれぞれの中の戦いが入っている。
今までにはなかった新しい視点からの戦争映画。

血はあまり流れないし、生々しい戦闘シーンが描かれているわけではない。
肉体を通してではなく、精神的な極限状態に重きを置くことで、これまでの戦争映画とは違う新たな「戦争の怖さ」が浮き彫りになる。

四面楚歌な英仏軍が助かるか助からないか、誰かが犠牲になるかもしれない瀬戸際、決断のときに、自分を犠牲にしてでも助けようとする人、集団の中でさらなる四面楚歌を作り、自分が生きようとする人。
自国が救出されても同盟国の軍がいるからと残る組織のリーダー(トップ)。
国家が行ったことを自分事のように捉え、リスクを負って一人でも多くの人を助けようとする人。
脅威しかない世界の中での、様々な人間が描かれていて人間味溢れる作品でもあった。

いつ死ぬかがわからない中での勝利はとりあえず生き抜くこと。
もし当時の日本で同じことがあれば、決して祝福はされなかったであろうと考えると、やはり当時の日本の「命を大切にすること」が当たり前でなかったことがわかる。

だが、当時のイギリスでは、その状況によってそこでの「勝利」が変わり、生き抜いて帰ってくることで、敗北しても祝福される様子は素敵で純粋に感動して、どこかでホッとした自分がいた。


狭い世界の中の1つの出来事ではあるが、こんなことが実際にあったこと事実。
観ておいて絶対に損はない作品だと思います。