Cinema Life Career

映画紹介を中心に、仕事観やキャリアについてなど、世界観や見えていること、日常の中で感じていることを徒然なるままに綴っていきます。

【映画】駆け込み女と駆け出し男 〜離縁のために繰り広げられる江戸時代ならではのいざこざ〜

                          f:id:takuro901:20171004235141j:image

これはおもしろい!
歴史上においての大きな出来事の映画化ではなく、江戸時代に数多くあった日常の中の「理不尽」の一つに着眼されており、その理不尽から人を救うために奮闘している場と人、またそんな状況に置かれ、厳しい環境を選んででも、今の状況を変える人の奮闘を周りの環境もしっかりと交えながら描いている映画。

 

この設定上、正直まとめるのは本当に難しいと思うので、若干散かりつつではあったが、江戸時代の一つの物語として、こんな日常があったことを(個人的にはわかりやすく)教えてくれ、理解させてくれたため、とてもおもしろかったし、個人的な満足度は非常に高いし、見応えがあった。

 

今も昔も男女間のいざこざ、その呪縛から逃れることの難しさ、その呪縛により、自分の人生を歩めないのは、どの時代も変わらない、人独特のやっかいな悩みであることがわかる。

 

この映画を現代に置き換えてみると、様々な理由で離婚をしたい女性が、その離婚を夫から認められずに、法や弁護士などを駆使して、何とか闘い抜いて、離婚という勝利を勝ち取り、その過程に同じ目的を持った者同士が別の形で惹かれ合っていく、そんな感じ。

 

現代でこそ、法が整備されており、男女平等の観点があるため、江戸時代のときほど、離縁(離婚)することに、ここまでのハードルがあることはないと思う。
だからこそ、気軽に結婚をしてしまう、みたいな風潮があるのは否めないかもしれないが・・・。

 

江戸時代こそ、「結婚」に関しては、(女性は特に)より慎重にしないと、というのはこの映画を観てとても伝わってきた。
まあ、理不尽な結婚も、まだまだまかり通っていた時代ではありそうだが・・・。

 

さて、内容に戻るが、この映画の設定は江戸時代の鎌倉。
離縁することが難しい時代で、離縁したい女性は、幕府公認の縁切寺として名高い尼寺の東慶寺に駆け込む。
駆け込み女として、中心になるのは鉄練りのじょご(戸田恵梨香)とお吟(満島ひかり)。
それぞれ駆け込む理由は全然違う。
駆け出し男は、医者に憧れを持っている東慶寺に住む中村信次郎(大泉洋)。

 

序盤からいきなり江戸時代の世界観に放り出され、物語が進むにつれて、どんどんのめり込んでいってしまう。


女性の生き様に焦点を当てつつ、離れることにより大切さに気づくことや理由がわからないままはなれてしまうことにもやもやを感じる男性側視点も盛り込まれている。

 

女性が女性だけの世界で生きることの閉塞感や嫉妬、多種多様な理由で駆け込みつつも目指すべきことは同じ集団の中で徐々に生まれてくる絆、力を合わせたときの強さ、女性の芯の強さや考え方がとても大人な点、様々な女性像を観ることができたのがよかった。
芯を持った女性の強さとかっこよさ、素敵さが感じられる。

 

その中で駆け出し男として、恋愛を禁じられていながらも、懐に入りながら、自分自身は駆け出し男として、人を助けるために奮闘する中村信次郎の真っ直ぐな姿勢と行動。
現代においても、大切にしたい色んなものが詰まっていた。

 

また、江戸時代の慣習や今普通に使われている言葉の語源なども、ちらっと入っていて、そこを知れるのもおもしろい。
曲亭(滝沢)馬琴を中心に文学的要素が入ってくるのも。

 

そして最後は、個人的に感動。
どの時代も人の生き様や行き着く考えにそこまで大きく異なる点はないんだなーと。
やっぱり人はいつの時代も人であることが改めてわかった。
人って色々あるし、色々考えてしまうし、心変わりもするけど、だからこそやっぱりいい。

 

大泉洋が主演と言うことで、コミカルっぽい方向に振り切った仕上がりかと思いきや、コミカルすぎず、シリアルすぎず、程よい感じで、歴史の一つを垣間見れる今作。
原田眞人監督は相変わらず贅沢に詰めまくってくれるからありがたい。笑

 

キャストにも注目すると、今作は特に、大泉洋満島ひかりがこの映画の世界をしっかりと作ってくれている。
もちろん、脇を固める俳優陣も戸田恵梨香もよかった。

 

うん、余韻も程よく残っていい。