Cinema Life Career

映画紹介を中心に、仕事観やキャリアについてなど、世界観や見えていること、日常の中で感じていることを徒然なるままに綴っていきます。

【映画】WOOD JOB! 神去なあなあ日常 〜プランドハプンスタンス〜

f:id:takuro901:20171216223145j:image

少年よ、大木を抱け。

都会の一人の青年が、大学受験に落ち、当時の彼女にも振られ、ひょんなことから見つけたポスターの女性に惹かれて、林業を始めていき、厳しい環境の中もがき続けて、成長していき、周りの心までもを動かしていく感動的で笑いもあるコメディ×ヒューマン映画。

キャリア形成においては、こうなりたいという理想があって、それに向かって、小さな目標を立てながら理想に向けて進んでいくキャリアアンカー理論と予期せぬできごとに対して最善を尽くして対応していきキャリアを積み上げていくプランドハプンスタンス理論があるが、今作は完全に後者のプランドハプンスタンスにより、青年が成長していく過程が描かれている。

鑑賞したときに、これがまさにプランドハプンスタンスの典型例だと思ったので記載したが、内容としてはラストまでの展開や感動に持っていく流れがベタな感じではあったものの、「林業」を冴えない青年の成長と結びつけ、押し付がましくコメディ要素も入れながら描いていく展開はよかった。
恋愛要素の入れ方もそっちに寄り過ぎず絶妙。

キャストとしては、重要な役どころに染谷将太伊藤英明長澤まさみとベストな配役で映画が成り立っていたのも印象的。
染谷将太の都会の冴えないヘタレな青年っぽい感じ、伊藤英明の喜怒哀楽の感情を表に出し、仕事に真面目だがプライベートは若干だらしがない感じ、長澤まさみの当たりが強く言いたいことは言う感じ、どれもハマっていた。
個人的に染谷将太はこれがベストアクト、伊藤英明海猿と並ぶくらいのベストアクトだと思います。

平野勇気(染谷将太)は、大学受験に失敗し、あるポスターを発見し、どんなことをするかもわからないまま、神去村へ向かう。
林業を始めようと思った動機も不純だし、態度も都会の冴えないヘタレ青年あるあるな感じでお世辞にも、厳しい環境下で仕事を乗り越えられるような人には見えなかった。

そんな林業を舐めている平野勇気に対して、腹を立てる山仕事歴が長く才能を持つ飯田与喜(伊藤英明)。
平野勇気は、そんな厳しい環境の中で林業を辞めて帰ろうと思ったが、踏みとどまりまずは1ヶ月耐え抜いた。

その後、1年間の研修でその厳しい人柄の飯田与喜がいる中村林業株式会社に研修で働くことになる。
飯田与喜の厳しい指導と時折見せる優しさ、冗談交じりの会話などで、徐々に平野勇気と飯田与喜の距離が縮まっていく。

厳しい環境や都会では経験しなかった様々なことに対して、逃げたくなっても耐えられた(いや耐えざるを得なかった)平野勇気ではあったが、そこから逃げずに林業と向き合い続けることにより、確実に開始時とは変わっていくのがわかる。

能力、技的な部分よりも、林業(仕事)に対しての考え方がだんだんと変わっていくのがわかるのがよかった。
基本的にどんな仕事も辛いときやしんどいときがどこかであるわけで、それをどうにか乗り越えようとしてその仕事に向き合っているうちに、その仕事が好きになったり、いつの間にかのめり込んで自分の考え方ができあがったりするものなんだと思う。

また、それが行動や言動からも変わっていっていることが、周りにも伝播することで、頑固な村人たちの心も動かしていき、よい影響を与えていき、仲間として受け入れられるようになる。

初めは全然受け入れられてなかった平野勇気が、1年間の研修が終わったときに家に帰るラストが感動だった。
冒頭がラストの演出の伏線になっているのも映画としておもしろかったし、冒頭では村から家に帰ろうとしていたのに、ラストは家に着いたのに村にまた戻っていったその変化もよかった。

矢口監督は、ウォーターボーイズのときも然りやけど、若干マイナーな世界を、笑いを交えながら飽きずに見せ、しっかりと感動する展開に持っていくのがとても上手だなと思った。
林業は全く知らなかったけど、実際に今作を見ていて、林業に興味が出たし、身体を動かす仕事もおもしろそうだなーと思った。
あとは閉塞的だが田舎独特の空気感とマイナスイオン全開な感じがよかった。

将来に悩んでいる方、本気になれている実感がない方は、今作を鑑賞すると感化されるものがあるので、よいと思います。

P.S.
都会からやってきて、能天気に林業をディスりまくる大学生集団にはなかなか苛々したし、平野勇気の対応にはかなりスカッとしました。笑