Cinema Life Career

映画紹介を中心に、仕事観やキャリアについてなど、世界観や見えていること、日常の中で感じていることを徒然なるままに綴っていきます。

【映画】チワワちゃん 〜青春の自爆テロ〜

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チワワちゃん

 

息もできないほど、キスして、笑って、恋をしていた。

 

2019年劇場一発目。わりと遅くなったけどこれにしてよかった。

とてもエモーショナルな作品。

色んな気持ちや感情が入り交じっていて簡単に整理ができない。余韻には浸れた。

青春の自爆テロという表現が秀逸。

 

若いって無敵で素敵で凄い!

そもそもこんなにアグレッシブに人同士が関わり合っているだけでもう凄いし、可能性に満ち満ちてる。

若気の至りというか、本当に活発で彼ら彼女らにとって限界という言葉がないのかというほどにただただ今を全力で楽しむ若者たち。

 

何かを目指すでもなく、何をしたいでもなく、他の人の目なんかは気にせずに、心の底から毎日を楽しむ若者たちの姿にまずは心を動かされる。

 

粗さや不完全さがそれぞれに際立っていて、それぞれに違う魅力があり思う存分それを発揮していくからこそ、相当エモくて本当の意味で「生きてる」を感じ取れて、それはもはや眩しいくらいの輝きを放っていた。

 

名だたるキャストがひしめく中、負けず劣らず一際強い輝きを放っていたのが、今作のタイトルにもなってるチワワちゃん。

「彼女は一体何がしたかったんだろうか。」

冒頭に呟かれていたこのセリフこそが、鑑賞者に対しての投げかけであり、それを明らかにしていくようにチワワと周りと周りから見たチワワ、確かにチワワと過ごした時間が映し出され続ける。

 

キャラと我が強い若者たちが集まった集団の中に、チワワが吉田(成田凌)のナンパで加わり、確かに変わり始めていく各位。

とにかくぶっ飛んでるけど、それが非常に魅力的に映る。

ありのままの彼女のどの要素があんなに人を動かすのか、と問われたらわからない。でもだからみんな惹かれていくのではないか。

決して論理では説明できない何かがそこにはあった。

 

才能ももちろんあるのかもしれないが、そもそもチワワの生き方そのものがアートのようだった。

何がしたいのかわからないのに、彼女の周りには常に人がいて、極めて人間的感情が確かに共有される。

いつのまにか彼女が常に中心にいて、周りを動かしていく。

 

その魅力の根底にあるのはやっぱり今を思う存分自分の心に従って生きることと溢れんばかりの自信があることとだったんじゃないかと。

その上にありのままの自分を嫌味なくさらけ出して、空気を全て自分の物にする。

キラキラしてるとはまさに彼女のこと!

 

エネルギッシュな表の顔とは裏腹に、センセーショナルな部分もあって、それがまた彼女の不完全さと人間らしさを助長していてよい。

 

そんな彼女に色んな形で振り回されていく各位だが、それでもなぜか彼女のことをずっと追ってるし、考えてしまってる。

ありのまま生きることで、自分の中の小さな世界の中の中心にいることができ、承認欲求は満たされていたチワワだったが、本当の意味で愛することと愛されることからは逃げてきていたことをカメラマンに諭され、簡単に惹かれていく若さもあった。

この歳ならではの危うさ。

 

亡くなった人の過去を辿ったところで、その人と一緒になれるわけではないのになぜそれをするのか。

それはその人自身にわからないことが多いからこその不思議な魅力があるからに違いない。

 

冒頭の「彼女は一体何がしたかったのか。」に対しての個人的な見解だが、基本的に彼女は別に何がしたいってのはなくて、ただただ気心が知れる人たちと一緒に思う存分楽しんで生きることをしたかっただけなのではないか。

たったそれだけなのにそれが全てでそれが簡単ではない。

徐々に一時期の幻想の日々が現実の日々に変わっていく過程が何とも痛々しくリアルでもあった。

 

ずっと集団で楽しむことしか知らない人たちは孤独になることのギャップに耐えられなくて、誰かにすがるようになる。

孤独になることで孤独から逃げるように周りに流れていくようになる。

そしてみんなそれとなく分別のある大人になっていく。

そこに本当の意味での「生きる」があるかはわからないが、それなりに生きることができる人とできない人がちゃんと描かれていた今作は、まさに現代の二分化されている日本の縮図を見せつけられたような気さえする。

 

やること全てに対して理由を求める人たちにぜひ今作を観て欲しい。

やりたいからやる、楽しみたいからやる、承認欲求を満たすためにやる。

そもそもまずは自分の欲求を満たすために生きてるわけで、人間って根本そうじゃないのか。

大きくなるにつれて徐々にそういう思いや自分に正直になること自体が失われていってる感じがする。

自らの感性に真正面から向き合って生きていく人たちに触れることで、何か感じてもらえたら嬉しいなーと思った。

 

なんか今読んでる本とも少し繋がるような気もしてるので、本当に今鑑賞してよかったと思えた作品です。

 

P.S.

若いキャスト陣のセンスが爆発しまくってる。

そんな中でもチワワちゃん演じる吉田志織が凄かった!主演でもよかったと思う。

全然知らなくてノーマークだったけど一気に惹かれたし、今後色んな作品に出て欲しい。