Cinema Life Career

映画紹介を中心に、仕事観やキャリアについてなど、世界観や見えていること、日常の中で感じていることを徒然なるままに綴っていきます。

【映画】宮本から君へ 〜ぶつかり合う愛と愛〜

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宮本から君へ

ぶつかり合う愛と愛。

観終えたむき出しの感情のまますぐに、ただひたすらに思い起こしたものを書き連ねました。

超現実的な最低の魂のぶつかり合い。
本当に『いなくなれ、群青』の後にこちらを観なくてよかったです。笑
色々と感極まり過ぎて、きつすぎて、もう一度観たいとは思えない。でも間違いなく傑作。

いやー強烈すぎる。
本当にいききっちゃってる。いきすぎてる。
いや、もはやそのいききった先をも見てしまった。
衝撃を通り越して震えが止まらない。
心震える、揺さぶられるとはこのことか。
今までの揺さぶられていた感覚全てを否定されたくらいに揺さぶられた。

どう言葉にしたらいいかわからない。
基本的に共感はできないし、自分が同じ立場だとしたら、まずはあんなことが起こらないような行動を事前に絶対とるはずだ。

相変わらず簡単なことも学ばないし、少し考えたらわかることもわからないのに、一丁前にちっぽけなプライドだけが強くなっていく。
0か100でしか物事を考えることができず、相変わらず周りに迷惑をかけまくる最低さは変わらない。
良くも悪くも中身は成長しない宮本のまま、成長して強くなっていく。

共感もできないのに、心の中でずっと応援してしまうのはなぜなのだろうか。
こんなにも心動かされてしまうのはなぜなのだろうか。
一連の中で揺さぶられる根源には、宮本の類い稀なとてつもなく強い覚悟があった。

これは宮本にしかなし得ない。
どれだけ周りが見えなくても、たくさんのことは考えられなくても、一直線に自分の中にあるちっぽけな信念にはとことん向き合って止まらない。いききっちゃう。

そんなことできるわけないだろうを、全てやり切ってしまう。
プライドはかなぐり捨てても信念だけは絶対に捨てない。
そこには何があっても絶対に向き合い続ける。
その生き様に何か心揺さぶられる。

あくまで全て俺のためからでしか考えられない。
それならそうなる前にもっと気を遣えよと。もっと頭を使えよと。
そう言いたくなるが、そんな計算や思考が宮本にはそもそもできるわけもなく、起こってしまってから置き所のわからない憎悪や怒りや悲しみの感情をちっぽけな力に変えていききるしか術がない。

理不尽だらけの世界の中では、弱者は弱者としての闘い方しかできない。
うまく生きることができなかったら、より真正面から強者からの洗礼を受けるしかなくなる。どうしようもない。
内に秘めるしかない苛立ちや感情の数々は、宮本にとってはこうもしないと抑えることができない。

それらを踏まえたいききった先には、そこにしか見えない父親としての宮本がいた。
宮本が父親となったとき、そこには大きな成長が見えた。

本当の意味での守るとはどういうことか、誰かと共に生きていくとはどういうことか。
こういう状況になったからじゃないと、ともすれば知ることもできなかったかもしれないことを知り、何皮も剥けた成長を遂げたように見えた宮本。

ラストの表情が脳裏に叩きつけられる。
これがいききった先にある覚悟と信念であり、あの表情かと。

そして本作において、向けられたあらゆるものを全て受け止め続けていく靖子の尋常じゃない強さと生き様にも、宮本と同等、もしくはそれ以上に目を見張るものと感じさせられるものがある。
あんなことをされて、あんな目に遭わされて…ふざけるなと、人生を投げ出してしまってもおかしくないほどである。

あれだけのものを全て受け止めて行き場なんか見つけられるわけがないのに、何かに昇華しようと奮闘し続けるその生き様にも心震えた。

宮本の熱量に倍返しの熱量を浴びせられるのは、あそこまで向き合えるのは、靖子しかいないだろう。
他の人ならとっくにそっぽを向かれていてもおかしくない。

 

男の物語でありながら、男は女性に敵うわけがないことをちゃんと訴えているようである。
宮本に揺さぶられつつも、やっぱり靖子凄いなーと、強いなーと。

ちっぽけな力と考えられない頭。
いききることしかできない生き様を余すことなく見せてもらった。

この思考なき感情の行き所を上手に表現する新井英樹の原作と真利子哲也監督の映像化は、圧倒的な世界観であった。
それは『ディストラクションベイビーズ』でも感じたが、さらにその先をいってたなー。
とにかく凄かったからたくさんの人に観てもらいたい。

考えることはドラマ版の方が多かったけど、感じられることの強さと多さは映画版でした。

P.S.
とにかく命を削りまくってる池松壮亮蒼井優の一挙手一投足に今年一番の凄みを感じた。本当に寿命縮んだんじゃなかろうか。
それこそ宮本と靖子どちらもに感情移入しきれないとあの演技は絶対にできない。
頼むからこの2人に賞を軒並み贈ってあげて欲しい。
理解しきることなんてできないであろう2人に、演技のおかげで少し理解できたような気がして、エンディングのときに2人を本当に愛おしく見た自分がいた。
井浦新も一ノ瀬ワタルもピエール瀧佐藤二朗も憎たらしさ全開でかなりよかった。

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